「演劇大学 in 札幌5 年間の行程など」(羊屋白玉)

演劇大学は、演出者協会主催事業"俳優・演出家養成セミナー"と称して、日本各地で開催されている。今年で 5 年目を迎える「演劇大学 in 札幌」は、かねてから実行委員会を演出家たちで結成し、制作者、劇場と一体化し、今年も新たなステップを踏もうとしている。

"俳優・演出家養成セミナー"といっても、対象が俳優ばかりのワークショップが中心となっていた。5年前わたしが参加した時も、対象は俳優のワークショップの講師としてだった。その翌年から、演出者協会なのだから、演出家に向けてのプログラムを組むことはできないだろうかと考えていた。日本演出者協会立ち上げメンバーである現会長の福田さんがおっしゃっていたのだが、この協会は演出家同士会って話してゆくうちに発足した、と。

昨今のような助成金もなかったし、事業を中心に会があるわけではなく、ただ集まって演劇の話や、社会のこと世界のことを話す、一種のサロンとして、そこでは様々な思索や情報が飛び交っていた。その原点に立ち返ってみるのもいいのではという復古的な試みや、この数年間のうちに出会った札幌の演出家達も、演出家のためのワークショップに興味を示し始めていた。今までは、札幌でも、俳優に対してのワークショップを中心に企画されていたが、今回の札幌では、試行錯誤の末、演出家、演出について取り組む内容にいよいよ着地しようとしている。私が、 2003 年から「演劇大学 in 札幌」に関わって、少しずつ札幌の舞台芸術事情や演出家たちのことを知るようになり、知れば知るほど、札幌には実力のある作り手が多いことに気づいた。

彼らの、チャレンジングでアイデアあふれる創作を展開している姿を何度か目撃した。例えば、東京進出、海外作家との協働、執筆、教育、舞台以外の創作、カンパニーの運営にも果敢な強者たちである。

この働き盛りの30代前半の演出家たちは、下手するとどんどん仕事をしてしまうであろうし、技術や力業で、とんとんとこなしてしまうであろう。私は、彼らが休むことなく続投してゆくことで、そのうち肩を痛め、ボールを投げられなくなることが来ることを、危惧した。

もうこうなると老婆心だ。そして、何よりも絶対的に惜しいことは目的を失うことだ。力のある彼らだからこそ、何千マイルも跳び続けることができた。そして、今こそその翼を休め、毛繕いをすることが必要だと提案した。現在、札幌を中心として活躍する演出家たちが、演劇について考える場を作る。それを目的にプランをたてはじめた。7月の短い夏、たった6日間の休息と補給。演出者協会の推薦による講師を交え、彼らの過去の作品や新作を題材に、クリエーションをし直し、見つめ直してみる。「舞台に限らず芸術とは、深いところに触れると、いつも同じものが出てくるのではないだろうか」私は私で、そんな命題を持ち、講師として参加することにした。

今回は、青井陽治氏、岡田利規氏、そしてわたしが講師として参加する。将来的には、さらに世代を超えた、地域を越えた演出家達との交流を図りたい。そして、この発信機関を継続することで、舞台芸術の牽引へと着地できるよう取り組みたい。(2007.7)

2007年7月21日(土)-28日(土)
会場:生活支援型文化施設 コンカリーニョ
(札幌市西区八軒1条西1丁目ザ・タワープレイス)

http://enngekidaigaku.seesaa.net

演劇大学2007in札幌チラシ (PDF/1.5MB)
演劇大学2007in札幌チラシ-ゼミ内容など (PFD/2.7MB)

◇◇◇ YUBIWA Hotel ◇ gallery ◇ credits ◇◇◇

contact

copyrights.shirotama.com.all rights reserved.